日常からみる周縁性

『日常からみる周縁性 -ジェンダー、エスニシティ、セクシャリティ』
李恩子(イ・ウンジャ)

定価:本体2,500円+税
A5判ソフトカバー 256頁
ISBN978-4-380-22002-9  C0036

<関西学院大学研究叢書 第233編>

私にとって「在日」として生きることは社会運動でも研究でもない。
私にとって「在日」として生きることそれ自体が研究/思考であり、運動だ。
(著者まえがきより)

 

◉著者◉
李恩子(イ・ウンジャ) Eun Ja Lee

New York Union Theological Seminary
Social Ethics  Ph.D 学位取得
現在 関西学院大学国際学部教員

 

<書評・紹介記事>

 

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◉ もくじ ◉

Ⅰ部 アイデンティティをめぐる物語

 第1章 名前とアイデンティ

  名前は人格権の1つか

  在米韓国人との比較から

  名前遍歴から見る問題提起

  公共機関から見えてくる無意識の差別性

 第2章 民族文化とアイデンティティ

  文化への思い

  私の「在日」文化形成の周辺

  韓国の伝統舞踊と在日文化創造のはざまで

 

Ⅱ部 セクシャリティをめぐる出会いと記憶

 第3章 セクシャリティについての想い

  マイノリティとは誰のことか

  民族的マイノリティと性的マイノリティの差異と同質

  ジェンダー・アイデンティティは必要か

 第4章 往復書簡対談 セクシャリティから考える「在日性」

  第1信(李恩子→江田陽生)2021年9月10日

  第1信返信(江田→李)2021年9月16日

  第2信 2021年9月25日(李→江田)

  第2信返信(江田→李)2021年9月30日

  第3信(李→江田)2021年10月2日

  第3信返信(江田→李)2021年10月21日

  第4信(李→江田)2021年10月26日

  第4信返信(江田→李)2021年11月23日

  第5信(李→江田)2021年12月5日

  第5信返信(江田→李)2021年12月16日

 

Ⅲ部 植民地主義がもたらしたもの

 第5章
忘れられたもう1つの植民地─旧南洋群島における宗教と政治がもたらした文化的遺制

  「南洋伝道団」が送られた歴史的・政治的背景

  南洋群島における宗教政策

  「南洋伝道団」派遣の直接的背景と目的

  「南洋伝道団」の働きと文化的遺制

 第6章 今私たちに問われていること

            ─関東大震災時朝鮮人虐殺80周年

  惨事の歴史的概略─記憶の共有として

  虐殺事件の背景分析の再考察

 第7章 韓日条約は在日同胞に何をもたらしたか―ポストコロニアル的一視点

  戦後の在日朝鮮人コミュニティの特殊性

  身体的記憶としての韓日条約

  1世の心情に寄り沿って

  韓日条約の負の遺産―国籍問題をめぐって

  ポストコロニアル視座から見た韓日条約の負の遺産

 

Ⅳ部 差別の現在性

 第8章 日韓(朝)関係から見た在日朝鮮人の人権

  ヘイト・スピーチが横行する土壌は何か?

  「在特会」から見える日本社会

  「民族教育」の中にある政治性

  過去からの行進

 第9章 日本国(家)を愛せない理由 ― かといって愛せる国(家)もない

  〈語り1〉 /〈語り2〉 /〈語り3〉

 

Ⅴ部 民族、宗教、ジェンダー

 第10章 和解の概念を考える ─差別のトラウマの視点から

  没主体と無意識の差別意識

  差別を内面化した者の発想

 第11章 信徒と教職の権威を考える1信徒のつぶやき

  権威とは何か

  権威主義と教会の分裂

  歴史的共同体意識の崩壊

  聖書と権威

  信徒の生きざまが権威

 第12章 今、ドロテー・ゼレを読む意味―「共苦」する主体形成を求めて

  ゼレとの出会い: 問題意識として

  ゼレを読み解くコンテキスト

  神学する主体とその課題

  共苦と主体

 第13章 「聖なる権威」への抵抗 ― 在日大韓基督教会女性牧師・長老按手プロセスにおける「民族」の位置

  KCCJの略史とその特性

  女性牧師:按手プロセスにおける「民族」の位置

  機関誌『コゲ・峠』に見られる「民族」の位置

  解放運動の主体に向けて

 第14章 解放運動における〈原則〉─ 日本のバックラッシュに抗するために

  問題の設定

  罪の意識からの解放

  現場再考─関係性の再構築に向けて

  「生活の場」を神学化する─文化を分析概念にして


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