<近刊>あの空は青いか?

『あの空は青いか? ― 私と芝居の雑文クロニクル』(2024年5月末刊行)

福田善之 (編集・解説:佐々木治己)
四六判 ソフトカバー 365頁
ISBN978-4-380-24004-1  C0074
定価:本体2500円+税

 演劇人として戦中戦後を生きる福田善之の自伝的クロニクル。興味深いエピソードが満載。

 このエッセイ集は、福田善之が二つの雑誌に書いた連載を収録している。一つ目の連載は調査情報(TBSメディア総合研究所)に、全11回(1991年5月号から92年3月号)連載した「私と芝居の道中双六」。この連載は自伝的演劇論という依頼があったようだ。演劇論の土台となる体験や経験が主に語られた。二つ目の連載は、悲劇喜劇(早川書房)に全50回(2006年7月号から10年10月号)連載をした「みんな、素敵な人だった」となる。

……(福田善之が)日本橋にある小さな旅館を家業とする家に生まれて、麻布から東大という一見、恵まれたエリートのような経歴の中で、階級意識を持ち続け、それがどのような批判的精神を培っていったのかということを考えると、このエッセイ集はとても興味深い。(佐々木治己 解説より)

 

<著者プロフィール>
◉福田善之(Fukuda Yoshiyuki)
本名鴻巣泰三。
1931年、日本橋生まれ。劇作家、演出家。東大文学部仏文学科卒。
「遠くまで行くんだ」、「真田風雲録」、「オッペケペ」等を発表。「袴垂れはどこだ」は、岸田國士戯曲賞受賞作に選ばれるが辞退。NHK大河ドラマ「風と雲と虹と」の脚本を担当。歌舞伎など伝統芸能、大衆演劇の作品も多数。新宿コマ劇場最大のヒット作『ピーターパン』の演出も担当。「私の下町−母の写真」(読売文学賞)、「壁の中の妖精」(紀伊國屋演劇賞)など旺盛な演劇活動を続け、数々の劇作が上演されている。映画『真田風雲録』(加藤泰)、『日本の悪霊』(黒木和雄)の脚本も手がける。
主な著書に、『真田風雲録』(1963)、『オッペケぺ/袴垂れはどこだ』(1967)、『魔女傳説』(1969)、『私の下町・壁の中の妖精』(1995)、『漱石の戀・夢、ハムレットの』(1997)、『颶風のあと』(2017)、いずれも三一書房刊。『白樺の林に友が消えた』(冬芽社、1986)、『れすとらん自由亭・希望』(現代企画社、1993)、小説『草莽無頼なり』上下巻(朝日新聞出版、2010)、エッセイ集『劇の向こうの空』(読売新聞社、1995)等がある。

 

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<もくじ>

解説 佐々木治己

私と芝居の道中双六

「忠臣蔵」「デッドエンド」

要は人間についての知識だ/父の名は福田利三郎/映画の恨みをはらすとき/僕のなかにあの婆さんはいる

「屋上の狂人」

死ぬのは怖くなかった/疎開先は下北沢/奇妙で素晴らしい麻布の先輩

「がたがたの竹馬小僧」「火山灰地」/ほんの髪一筋の幸運の差/ギンミー、ギンミー/「がたがたの竹馬小僧」

「たくみと恋」

河合家の居候となる/夢で地団駄を踏んだ母

幕間① 頭髪の自由・男女合同演劇ほか

麻布に映画研究部を作る/物価のアンバランス/東京高女からの女優陣

幕間② 『戦火のかなた』『酔いどれ天使』『恐るべき親達』

ガリ版」刷りの「機関紙」/金も時間もないときは/チャンバラ映画で得たもの

幕間③ 「夕鶴」「また逢う日まで」

ぶどうの会第一回公演「夕鶴」/軽井沢モデルのシナリオ/朝鮮動乱の勃発

「女学者の群」「三年寝太郎」

「新東の諸君」と呼ばれる/日共の「大分派闘争」/ドラマはハラハラドキドキ?

「美しい季節」「プラーグの栗並木の下で」

猛威をふるったスタ・システム/プチブルじゃなくなるには/メーデーに倒れたもののために/「農村調査」に赴く

「村役場」「富士山麓」

大学演劇コンクール/芝居は滴ってなきゃいけない/劇作家になろうと決意

 

みんな、素敵な人だった(抄)

〈戯曲篇〉

「長い墓標の列」/「記録№1」/「遠くまで行くんだ」/「真田風雲録」/「オッペケペ」/「袴垂はどこだ」/「魔女傳説」/「変化紙人形」「夢の渡り鳥」「傀儡族縁起――お花ゆめ地獄」/「白樺の林に友が消えた」/「れすとらん自由亭」/「希望――幕末無頼篇」/「幻燈辻馬車」/「私の下町――母の写真」/「漱石の戀」/「夢、ハムレットの」/「新・ワーグナー家の女」

〈ミュージカル篇〉

「ピーターパン」/「若草物語」/「壁の中の妖精」/ミュージカル論/

〈映画篇〉

『真田風雲録』/『日本の悪霊』

〈人物篇〉

岡倉士朗/木下順二/観世榮夫/土居甫/広渡常敏/竹内敏晴/井上ひさし/吉田直哉、緒形拳

〈ドラマ論、演劇論篇〉

ドラマ嫌い/「ま」と「あいだ」/口立て/歴史物語とドラマ

あとがき ―― 上がりのない双六 福田善之


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