憲法9条再入門

憲法9条再入門  その理念と思想を生かすために』

前田朗

四六判 ソフトカバー 268頁
ISBN978-4-380-20004-5 C0036
定価:本体2000円+税

9条を初めて読んだのはいつのことでしょう。あなたはどんな感想を持ったでしょうか。
世界史上特筆すべき平和主義の理念を徹底した9条と憲法前文―予断ぬきに初めて9条を読んだ多くの市民は、平和主義の理念の深さと射程の広さに感銘を受けたのではないでしょうか。
国家のみならず、個人としても、武力や争いによるのではなく、対話と説得によって物事を解決しようとする精神を鍛えることができたのではないでしょうか。平和の羅針盤であり、人生の羅針盤となってきたのではないでしょうか。
9条は平和を希求する多くの市民に支持されました。平和を愛する諸国民に歓迎されました。ところが、猛烈に非難する勢力もいました。「押しつけ憲法論」や、「現実無視の理想論」や、さまざまな言いがかりが70年にわたって続いています。歴代自民党政権は9条を嫌い、改憲のためにさまざまな画策を続け、「解釈改憲」という手法で9条を骨抜きにしようとしてきました。
政権政党にこれほど憎まれ、踏みつけにされた憲法は、世界のどこを探してもないでしょう。
……今、平和憲法は危機に立たされています。明文改憲を唱える勢力がかつてないほど大きな力を有しています。これまで以上に「9条を守れ」と唱えなければなりません。
しかし、「9条を守れ」が、明文改憲阻止の意味だけになっていないでしょうか。
もともと、「9条を守れ」は「9条に書いてある通りにしろ」という意味だったはずです。戦争を放棄し、陸海空軍を保持せず、交戦権を持たない平和国家・日本を創り出すことだったはずです。
9条の理念と思想を現実世界の中で活用するために、もっと工夫することが私たちの主要課題です。
リフレッシュ9条―ここからもう一度歩み出してみませんか?

◉著者:前田 朗(Maeda Akira)
1955年、札幌生まれ。中央大学法学部、同大学院法学研究科を経て、現在、東京造形大学教授(専攻:刑事人権論、戦争犯罪論)。朝鮮大学校法律学科講師、日本民主法律家協会理事、NGO国際人権活動日本委員会運営委員、救援連絡センター運営委員。
著書に『増補新版ヘイト・クライム』、『ヘイト・スピーチ法研究序説』、『ヘイト・スピーチ法研究原論』、『ヘイト・スピーチと地方自治体』、『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか』[編]、『ヘイト・クライムと植民地主義』[編]、『思想はいまなにを語るべきか』[共著](以上、三一書房)、『軍隊のない国家』(日本評論社)、『パロディのパロディ─井上ひさし再入門』(耕文社)、『旅する平和学』、『メディアと市民』、『思想の廃墟から』[共著](以上、彩流社)等。

◉もくじ

  • 第1章 9条の現点
    第一節 自衛隊加憲論批判
    第二節 平和の憲法政策に学ぶ
  • 第2章 9条の原点
    第一節 制定過程から見た9条
    第二節 戦後民主主義の再検討
    第三節 戦争犯罪論から見た9条
  • 第3章 植民地主義を超えて
    第一節 植民地主義の経験
    第二節 罅割れた美しい国
  • 第4章 ピース・ゾーンの思想
    第一節 軍隊のない国家研究
    第二節 イタリア地方自治体における平和権
    第三節 琉球の内発的発展と自己決定権
  • 第5章 平和への権利を求めて
    第一節 国連平和への権利宣言
    第二節 紛争の文化から平和の文化へ
    第三節 平和・人権・発展
  • 第6章 書評――平和・人権・民主主義
    第一節 問われる平和主義
    第二節 沖縄から見た日本問題
    第三節 歴史、記憶、そして未来

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◉もくじ
はしがき
第1章 9条の現点
第一節 自衛隊加憲論批判
第二節 平和の憲法政策に学ぶ
第2章 9条の原点
第一節 制定過程から見た9条
第二節 戦後民主主義の再検討
第三節 戦争犯罪論から見た9条
第3章 植民地主義を超えて
第一節 植民地主義の経験
第二節 罅割れた美しい国
第4章 ピース・ゾーンの思想
第一節 軍隊のない国家研究
第二節 イタリア地方自治体における平和権
第三節 琉球の内発的発展と自己決定権
第5章 平和への権利を求めて
第一節 国連平和への権利宣言
第二節 紛争の文化から平和の文化へ
第三節 平和・人権・発展
第6章 書評――平和・人権・民主主義
第一節 問われる平和主義
第二節 沖縄から見た日本問題
第三節 歴史、記憶、そして未来
あとがき


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