<近刊>ヘイト・スピーチ法研究要綱

ヘイト・スピーチ法研究要綱 – 反差別の刑法学』
MAEDA, Akira, Outlines of Hate Speech Law
前田朗

定価:本体5,400円+税
A5判 ハードカバー 542頁(10月刊行予定)
ISBN978-4-380-21005-1  C0032

この社会全体が「歴史修正主義」に染まってしまったのはなぜか?
差別排外主義が跋扈する社会から民主主義を実現する社会を目指すために「戦後日本の民主主義」を根幹から問う必要がある。

「社会構成員の一部を排除するレイシズムと民主主義は両立しない。レイシズムの具体的な現象形態であるヘイト・スピーチ、ヘイト・クライム、人道に対する罪・迫害、ジェノサイドは民主主義を破壊する。民主主義を実現するために、レイシズムとの闘いが求められる。ヘイト・スピーチの刑事規制、民事規制、行政規制、反差別教育、対抗言論のすべてを総動員して民主主義を守り、人間の尊厳を守らなくてはならない。
憎悪言論は社会を破壊するので、包括的な差別禁止法とヘイト・スピーチ処罰法が必須不可欠である」
(はしがきより)

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◉ もくじ

Ⅰ 反ヘイト理論のために
第1章 ヘイトの現状と課題
第1節 ヘイト現象の動向
第2節 川崎市ヘイト・スピーチ条例
第3節 TOKYO MX「ニュース女子」事件
第4節 朝鮮総連銃撃事件
第5節 本書の課題と構成

第2章 ヘイト・スピーチの研究動向
第1節 本章の課題
第2節 レイシズム研究の動向
1 梁英聖の見解、2 倉橋耕平の見解、3 浜崎洋介の見解、4 堀田義太郎の見解、5 加藤直樹の見解、6 呉世宗の見解、7 高橋若木の見解、8 レイシズム研究の課題
第3節 法的研究の動向
1 奈須祐治の見解、2 駒村圭吾の見解、3 桧垣伸次の見解、4 山邨俊英の見解、5 中村英樹の見解、6 橋本基弘の見解、7 暉峻僚三の見解、8 藤井正希の見解、9 斉藤拓実の見解、10 東川浩二の見解、11 鈴木崇之の見解、12 若林三奈の見解、13 金尚均の見解、14 毛利透の見解、15 瀧大知の見解、16 金子匡良の見解、17 守谷賢輔の見解、18 元百合子の見解、19 申惠丰の見解、20 光信一宏の見解、21  鈴木秀美の見解、22 魚住真司の見解、23 久禮義一の見解
第4節 憲法と憲法学の微妙な関係
一 榎透の見解
二 憲法と憲法学の関係
三 憲法と条約
四 思想の自由市場と対抗言論
第5節 民主主義と表現の自由
一 民主主義とレイシズムは相容れない
二 特権主義憲法学との訣別

Ⅱ 歴史の中のヘイト
第3章 日本植民地主義の構造
第1節 私たちはなぜ植民地主義者になったのか
一 「土人」の時代──差別とヘイトの現在
二 重層的に形成された植民地主義──五〇〇年の植民地主義と一五〇年の植民地主義
三 日本国憲法のレイシズム──七〇年の植民地主義
第2節 領土と植民地主義
一 問題意識
二 植民地化過程の併合と分割
三 日本による植民地化過程
四 植民地化後の分割と交換
五 小括
第3節 人民と植民地主義
一 問題意識
二 人類館事件を読み直す
三 遺骨返還問題とは何か
四 遺骨返還の国際動向
五 遺骨返還の国際人権法
第4節 主権と植民地主義
一 天皇に拝跪する国民
二 国民主権と象徴天皇制
三 日本国憲法体制の植民地主義
四 個の確立と市民社会
五 おわりに
第5節 植民地におけるマイノリティ
一 問題意識
二 朝鮮人とアイヌ民族の出会い
三 朝鮮人と琉球民族の出会い
四 植民地主義と男性中心主義
五 おわりに

第4章 コリアン・ジェノサイド試論
第1節 本章の課題
一 ヘイト・スピーチ認定
二 小池東京都知事の歴史修正主義
三 関東大震災朝鮮人虐殺の位置づけ
第2節 ジェノサイド概念と歴史
一 国際法におけるジェノサイド概念
二 歴史の中のジェノサイド
第3節 ジェノサイド研究の現在
一 はじめに
二 国連人権理事会パネル
三 国連事務総局報告書
四 ジェノサイドと人種差別撤廃条約
第4節 人道に対する罪条約草案
一 はじめに──国連国際法委員会
二 人道に対する罪概念の形成
三 国際法委員会における審議
四 条約案の概要
五 おわりに
第5節 コリアン・ジェノサイド

Ⅲ 反差別の法理論
第5章 反差別の実践的課題
第1節 先住民族アイヌの権利
一 民族象徴空間ウポポイ
二 民族解放と人権を
三 先住民族の権利
第2節 部落解放論の拡大と深化
一 はじめに
二 歴史と理論と実践のプリズム
三 人権の展望に向けて
第3節 複合差別との闘いの記録
一 反ヘイト裁判の記録
二 複合差別との闘い
第4節 複合差別と闘う解放の理論
一 はじめに
二 被差別部落女性の主体性
第5節 女性に対するオンライン暴力
一 インターネット等の新技術
二 定義と被害
三 女性ジャーナリストへの暴力

第6章 反差別の国際人権法
第1節 人種差別撤廃条約とマイノリティ
一 はじめに
二 マイノリティの権利保護のために
三 おわりに
第2節 先住民族に対する差別との闘い
一 先住民族の権利
二 構造的差別と闘う
三 人種差別としての土地の権利
四 自然資源の搾取と民間セクター
五 早期警告と緊急行動
六 結論
第3節 複合差別──人種差別とジェンダー正義
一 はじめに
二 複合差別への視点
三 コメント
第4節 人種差別撤廃委員会の勧告
一 はじめに
二 ヘイト・スピーチ
三 委員会の勧告

Ⅳ ヘイト・スピーチ規制法
第7章 ヘイト・スピーチの国際人権法
第1節 本章の課題
第2節 国際自由権委員会・一般的勧告第三四号
第3節 人種差別撤廃委員会・一般的勧告第三五号
一 はじめに
二 第三五号への道
三 人種主義ヘイト・スピーチ
四 条約第四条の要請
五 委員会勧告への影響
六 今後の予測
第4節 権利のための信仰に関するベイルート宣言
第5節 国際自由権委員会・一般的勧告第三七号
第6節 国連ヘイト・スピーチ戦略・行動計画
一 はじめに
二 国連戦略と行動計画

第8章 ヘイト・スピーチ法制定・適用状況
第1節 本章の課題と概要
第2節 ヨーロッパ諸国
1 ベラルーシ、2 セルビア、3 スロヴァキア、4 ポーランド、5 スウェーデン、6 ラトヴィア、7 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、8 モンテネグロ、9 アルバニア、10 ノルウェー、11 アンドラ、12 ハンガリー、13 リトアニア、14 チェコ、15 アイスランド、16 ポーランド、17 アイルランド、18 デンマーク
第3節 アフリカ諸国
19 アルジェリア、20 モーリタニア、21 モーリシャス、
第4節 アジア太平洋諸国
22 オーストラリア、23 ヨルダン、24 キルギスタン、25 ネパール、26 サウジアラビア、27 中国、28 パレスチナ、29 モンゴル、30 イラク、31 カタール、32 韓国、33 カンボジア、34 イスラエル
第5節 南北アメリカ諸国
35 エルサルバドル、36 メキシコ、37 キューバ、38 ペルー、39 ホンデュラス、40 グアテマラ、41 コロンビア

第9章 ホロコースト否定犯罪を考える
第1節 フェイク政治の時代
一 「アウシュヴィツの嘘」犯罪
二 フェイクの政治力学
第2節 ホロコースト否定との闘い
一 記憶の暗殺者
二 歴史否定犯罪法の例
三 否定犯罪規制の潮流
第3節 法と記憶をめぐる論争
一 はじめに
二 法と記憶をめぐって
三 国際自由権委員会の過去についての見解
四 真実への権利
五 韓国における議論
六 東欧の動向
第4節 国際人権法の視点
一 サイバーレイシズムとの闘い
二 ホロコースト否定犯罪との闘い
三 おわりに

あとがき

初出一覧

 

 

◉ 前田 朗(Maeda Akira)
東京造形大学名誉教授。1955年、札幌生まれ。2021年3月、東京造形大学を定年退職。現在、朝鮮大学校法律学科講師、日本民主法律家協会理事、NGO国際人権活動日本委員会運営委員、救援連絡センター運営委員。
著書に『増補新版ヘイト・クライム』『ヘイト・スピーチ法研究序説』『ヘイト・スピーチ法研究原論』『ヘイト・スピーチと地方自治体』『黙秘権と取調拒否権』『憲法9条再入門』、共編著に『なぜ、いまヘイト・スピーチな
のか』『ヘイト・クライムと植民地主義』『思想はいまなにを語るべきか』『新にっぽん診断』(いずれも三一書房)など。
ウェブサイト:http://www.maeda-akira.net/

 

🔽前田朗『ヘイト・スピーチ法研究』三部作 既刊書

『ヘイト・スピーチ法 研究原論 – ヘイト・スピーチを受けない権利』
『ヘイト・スピーチ法 研究序説 ―差別煽動犯罪の刑法学―』

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