心に刻み 石に刻む
『心に刻み 石に刻む ‐ 在日コリアンと私』
四六判 ソフトカバー 247頁
ISBN978-4-380-16007-3 c0036
定価:本体1800円+税
飛田雄一(ひだ・ゆういち) 神戸学生青年センター館長
(1950年、神戸生まれ。 神戸大学農学部修士課程終了。公益財団法人 神戸学生青年センター館長。他に、在日朝鮮運動史研究会関西部会代表、強制動員真相究明ネットワーク共同代表、関西学院大学非常勤講師、むくげの会会員など。著書に『日帝下の朝鮮農民運動』(1991年、未来社)、『朝鮮人・中国人強制連行・強制労働資料集』(金英達と共編、1990年版~94年版、神戸学生青年センター出版部)、『現場を歩く 現場を綴る―日本・コリア・キリスト教―』(2016年、かんよう出版)ほか。)
横行するヘイト・スピーチの土壌には、戦後における植民地支配の未解決問題が横たわっている。
在日朝鮮人の法的地位の変遷とともに、今、改めて問う。
<書評>
◎もくじ
- はじめに
- 巻頭インタビュー(聞き手:川瀬俊治)
- 第一章 総論
私の市民運動〝ことはじめ″、そしてそれから - 第2章 歴史編
一九六一年・武庫川河川敷の強制代執行
解説『特殊労務者の労務管理』
アジア・太平洋戦争下、神戸港における朝鮮人・中国人・連合国軍捕虜の強制連行・強制労働 - 第3章 法的地位
サンフランシスコ平和条約と在日朝鮮人――一九五一・九・八~五二・四・二八
入管令改正と在日朝鮮人の在留権
在日朝鮮人と指紋――押なつ制度の導入をめぐって
GHQ占領下の在日朝鮮人の強制送還
難民条約発効より二〇年―改めて日本の難民政策を考える―
在日朝鮮人(一九四五~五五年) - あとがき
私の在日朝鮮人問題とのかかわりは1970年代初めからになります。
当時、私が関わってい たベ平連神戸が在日朝鮮人問題にも熱心に取り組んでいたことが関係しています。
1971年1月には、朝鮮の歴史文化を勉強する「むくげの会」も作られたり、70年代に孫振斗裁判、申京 煥裁判にも取り組んだりしました。
この本の歴史編には、神戸電鉄のこと、神戸港のことなどがでてきますが、神戸生まれ神戸育ち の私も、それ以前には朝鮮人とのかかわりについて、全く知りませんでした。地元のこのような 歴史は、私にとって驚きで、新しい発見がたくさんあり、調査も現実感も持って進めることができたと思います。
在日朝鮮人問題は、この間、紆余曲折がありながらも「進展」してきました。この現代史的な 流れに参画できたことを嬉しく思います。「市民活動家」と称されることもある私ですが、だからこそこのような形で記録し出版することも必要で、また少しは価値あることではないかと考えています…(まえがきより)
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