もうひとつの国鉄闘争

978-4-380-13013-7

『もうひとつの国鉄闘争 —非正規差別、女性差別と闘って』
和田 弘子
本書は、国鉄非正規労働者の闘いを歴史に残す一歩であり、
新たな闘いに起ち上がる人たちに贈る希望である。

<推薦します>
早稲田大学名誉教授 佐藤 昭夫 

一人の自覚、差別への怒りから始まった和田闘争
和田さんの闘いは、たった一人の人間としての自覚、差別への怒りから始まった。それは、女性差別と臨時雇用員(非正規職員)への差別という、
二重の差別との闘いであり、その過程を通して、人びとの権利意識・運動の広がりをもたらした。戦後の情況の中でこの闘いを振り返り、その持つ意味を考えることは重要だ。

定価:本体2,500円+税
A5判 ハードカバー  327頁
ISBN978-4-380-13013-7
  C0036

<書評掲載>

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和田 弘子 著(わだ ひろこ)
1972年、国鉄に臨時雇用員として入社。国労に加入し、婦人部活動により待遇改善をはかる。1983年9月、国鉄分割民営化を前に臨時雇用員6000人全員解雇により、解雇される。84年、国労はじめての臨時雇用員訴訟としてただ1人、従業員地位確認訴訟を起し、以降、数々の裁判等を闘う。1987年、「おんな労働組合<関西>」を結成し、1990年から2003年まで専従としてセクハラや解雇事件等の解決にあたる。1993年、第5回多田謡子反権力人権賞受賞。2001年、WOMEN’S ACT21を設立。大阪府助成事業等により、公務非正規問題に取り組む。

◎ 42
年に及ぶ闘いの全記録 ◎

本書は、国鉄闘争史のなかで、表に出されることのなかった、非正規の闘いの記録です。
1983年、国鉄分割民営化に先だって全国の臨時雇用員6000人が一斉に解雇されました。
著者の和田弘子さんも、12年働いた大阪工事局を解雇されました。国労にあこがれて、国鉄で働きたいと入ったものの、そこは臨時雇用員差別、女性差別に満ち満ちた職場でした。
しかし、いえそれだからこそ彼女は闘い始めます。職場では、ケンカの毎日であったと、彼女は書いています。と同時に、その頃が一番楽しかったとも書いています。
その職場を奪われたばかりか、解雇の扱いにおいても「正規職」と差別されたことに納得がいかず、彼女は6千人の仲間の悔しさを一身に背負って闘いに起ち上がりました。
「どうしてこんなに長く闘い続けられたのですか?」と問われて、「自分たちがいたという事実、差別された事実を残したかった。そして何よりも臨時雇用員自身が闘ったことを残したかった」と彼女は答えています。
また「私はいま、闘いで得た経験と成果を次なる非正規の闘いにつなげたいと願っています。この本は、国鉄臨時雇用員の闘いを歴史に残す一歩であり、新たな闘いに起ち上がる人たちに差し伸べる私たちの希望です」と。

<目次>

  • 発刊に際して― 不正、いまだ正されず!
  • 第一部 臨時雇用員・和田闘争― 国鉄の女性差別・臨時雇用員差別を許さへん!

第1章 一人の闘いから国労婦人部・あゆみ班の闘いへ
第2章 解雇撤回闘争と退職金違法減額追及の闘い―地域の仲間とともに
第3章 数々の裁判闘争と労働委員会闘争を駆使した30年
第4章 私たちの前に立ちはだかったもの
◎病に倒れて

  • 第二部 国鉄の差別的な労務政策に抗して

第5章 戦後の女性労働者と臨時雇用員の闘い
第6章 JR西日本の性差別、障がい者差別との闘い―森崎里美さんの闘い
第7章 私にとっての国鉄闘争

  • 第三部 臨時雇用員・和田闘争に寄せて

◎和田闘争から汲みとるべきこと……佐藤昭夫
◎弁護士より……北本修二・大口昭彦
◎私と和田闘争……和田通郎・大田重雄・小林ひろ子・伊藤多恵子・岸本淳子 阿木幹子・羽田野建・久下格・大和田幸治
◎裁判での証言……浜崎サイ
◎むすびにかえて
◎資料編・年表


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