田中正造翁余録 上
『田中正造翁余録 上』
島田宗三
四六判 ソフトカバー 399P
ISBN978-4-380-13000-7
定価:本体2600円+税
◆日本図書館協会選定図書
晩年の田中正造像を刻む貴重な記録、待望の復刊!
「見よ、神は谷中にあり。聖書は谷中人民の身にあり」(田中正造)
18戸百余人の谷中村民と共に、臨終のときまでのすべてを賭けた、晩年の田中正造の苦闘の姿にこの本の著者であり、谷中遺民を名乗る島田宗三老の姿が重なり合う。
国家と法の名による廃村の暴挙に抗して、あらゆる苦難に耐え、自治と人間に拠って一歩も退かなかった人びと。田中正造と谷中村民の闘いの日々を物語る感動の記録である。
明治以降、この国の棄民政策が何も変わらないことが赤裸々になった今、私たちの心に突き刺さる足尾鉱毒事件、闘いの記録である。
<上巻目次>
編者序
序 章 足尾銅山鉱毒事件の概要
第一章 強制破壊まで 明治三十五年十月~明治四十年六月
第二章 谷中村の滅亡 明治四十年六月~八月
一 立退きの強要
二 その前夜
三 強制破壊
四 強制破壊の後
第三章 谷中村復活闘争の出発 明治四十年九月~明治四十一年
一 再建へ一筋の道
二 河川法適用反対の闘い
三 谷中瀦水池の欺瞞
四 碓井要作氏と谷中村問題
第四章 渡良瀬川の治水問題 明治四十二年
一 破憲破道への糾弾
二 渡良瀬川改修の賛否
三 近県への改修反対働きかけ
第五章 利根の逆流 明治四十三年
一 野木村の陳情書
二 わが関東五州は既に死亡せり
三 強制破壊三年目の谷中村
四 天の警告、利根川の氾濫
五 洪水の禍根、足尾銅山
第六章 土地収用補償訴訟の危機 明治四十四年
一 河川踏査前後の翁
二 栃木裁判所「和解」案の提示
三 欠席判決をめぐって
第七章 われら谷中を去らず
一 渡良瀬川改修と周辺町村の用地買収問題
二 谷中畦畔修築への禁止命令
谷中村問題重要日記
田中正造翁と父島田宗三(島田早苗)
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