<近刊>魔女裁判

『魔女裁判 ―ウィーンで火炙りになった エリーザベト・プライナッハー の生と死
金子マーティン 訳著 (2026年秋刊行)

定価:本体2,300円+税
四六判 ソフトカバー 270頁
ISBN978-4-380-26004-9 C0036

カトリック教が「布教」の名のもとにおいて世界各地で繰り広げた蛮行のひとつ、「魔女迫害」の犯罪性と、その非人間性を暴く。
近代民主主義体制の基本である「政教分離」が現在も不徹底な日本社会への警鐘でもある。

信心深かった当時の人びとにとって、死後の自分の霊魂の救済は重大な関心事だった。
その救済を人びとはカトリック教に求めたが、その教団こそが魔女妄想を社会に流布させ、各地に異端審問官を派遣して、できるかぎり多くの〈魔女〉を探し出して、極刑に処するという犯罪に関与した本家本元なのだった。もっとも、新しく創設されたプロテスタント教という新教も、カトリック教と変わるところなど何らなかった。
民衆の要求に応えるかたちで、魔女迫害はだんだん国家機関が直々に遂行するようになった。
当時の基準からしても不公正極まりない裁判の過程で被告人たちは―その圧倒的多数は女性―死罪を免れることがほとんど不可能な状態にあった。犯罪者という濡れ衣を着せられた被告人は、拷問によって共犯者の名を白状するよう強要され、ときには民衆の一団がこぞって犯人に仕立て上げられるような顛末もあった。
そのような気の毒な女性のひとり、エリーザベト・プライナッハーの人生を、本書で取り上げよう。

 

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◉もくじ

口絵写真

訳者まえがき

第1部 『魔女 エリーザベト・プライナッハーの生と死』

本書について/ピーラムント1513年/1514年から1521年まで/1522年から1530年まで/1531年から1540年まで/1541年から1550年まで/1551年から1570年まで/1571年から1583年まで/解説

魔女迫害/(非)合法的基礎/魔女にあたえる鉄槌/著者について/補遺

⑴ アントン・コェーラー編『珍奇な事物と記憶にとどめておくべき事象―ウィーン事典』第1巻、ウ

ィーン、1846年(抜粋)

⑵ ヨット・エー・シュラーガー『中世期のウィーン素描』第1巻、カール・ゲロルド出版、ウィーン、

1835年(抜粋)

⑶ モーリッツ・ベルマン『ウィーン今昔―皇都とその近辺の歴史』、ハルトレーベン出版、ウィーン、

1880年(抜粋)

第2部 エリーザベト・プライナッハー裁判「議事録」

取りつかれた娘についてゲオルク・シュルタールバウアーの嘆願書/取り憑かれた娘にかんする命令についてのウィーン司教の返答/魔法使いについてのパウル・スィクット・トラウトソンの意見書/魔法罪調査のための皇帝通達/魔法などにかんする書簡/皇帝閣下による市裁判官への通達/トラウトソン氏が司教殿に提示した魔法使いの共犯者たちについての1583年9月4日付報告/判決/処刑執行日/魔女についてのパウル・スィクット・トラウトソン氏宛て覚書/皇帝による指示/赤字の追加/「議事録」訳注/『議事録』にみる/世紀晩期の魔女・魔術師・悪魔・悪霊と神のイメージ/初期の無神論/注

第3部 政教分離 「神々の国」ニッポンでの実態

象徴天皇制と政教分離/宗教と政治団体/自公連立政権/自民党と統一協会/国際勝共連合/安倍晋三元首相暗殺事件/2世信者の動き/日本政治とカルト/被害者救済法への批判/解散命令をめぐる動き/高額献金問題/東京地裁の解散命令/旧統一協会の資産問題/旧統一協会の清算手続/「TM特別報告書」と自民党/「TM特別報告書」と高市首相/教団と閣僚はいまも/宗教法人「天地正教」/解散命令への特別抗告を最高裁が棄却/「政教分離」の現状/「靖國神社」と日本政治/敗戦国日本の領土/加害の歴史への対処 日本とドイツ/自民党改憲草案/靖国参拝と憲法

エピローグ エリーザベト・プライナッハーは僧侶か実父から性被害を被ったのか?

⑴トビーアス・ヘルツ(ヨーハン・ハーン)著『エリーザベト・プライナッハーの生と死』

⑵アニタ・ラッケンベルガー著『悪魔の所業:ウィーンの魔女拷問、1583年の尋問調書』

訳者あとがき/注


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