<近刊>憲法を取り戻す
『憲法を取り戻す―私たちの立憲主義再入門』
前田朗 編 (2025年4月刊)
四六判 ソフトカバー 272頁
ISBN978-4-380-25001-9 C0036
定価:本体2200円+税
この国には本当に憲法があるのか?!
法学者・弁護士12名へのインタヴューから見えてくるものは?
日本社会の崩壊がとまらない今、政府に平和主義・民主主義・国民主権・権力分立・基本的人権等の基本原則に立ち返らせ市民社会が立憲主義を取り戻す法思想を提示する「日本国憲法の再入門」であり「立憲主義の再入門」。
★商品はこちらからご購入いただけます。
<もくじ>
第1部 いまなぜ立憲主義か
- 第1章 憲法のない国から見た日本――立憲主義を考える 清末愛砂
アフガニスタンで考える/ 立憲主義の危機/ パレスチナで考える/ 平和主義と立憲主義
- 第2章 法の支配と立憲主義を考える――安倍国葬の憲法論 清水雅彦
国葬と憲法/ 立憲主義を問う意味/ 改憲論議の動向/ 岸田政権の防衛費倍増と石破政権
- 第3章 安保法制違憲訴訟を闘う 内山新吾
安保法制違憲訴訟とは/ 平和を求めるエネルギー/ 安保法制違憲訴訟判決/ 憲法改正・決定権を問う/ 戦争を招き寄せる政策
第2部 沖縄に憲法は適用されるか
- 第4章 沖縄から見た基地問題 高良沙哉
米軍による事故と犯罪/ 自衛隊基地問題/ 加速する沖縄差別
- 第5章 沖縄の基地問題と地方自治 飯島滋明
憲法の基本原理と「地方自治」/ 沖縄と地方自治/ 「市民」育成の重要性
第3部 自由と人権のリアル
- 第6章 基本的人権を基本から考える 前田 朗
憲法第章の権利論/ 平和的生存権/ 人として認められる権利/ 差別されない権利/ 将来の世代の権利
- 第7章 ヘイト・スピーチの憲法論はどうあるべきか 上瀧浩子
京都朝鮮学校襲撃事件/ 差別の憲法論/ 反ヘイト・スピーチ裁判/ ヘイト・クライムへの対処
- 第8章 日の丸君が代強制と思想・良心の自由 寺中 誠
相次ぐ国際勧告/ 思想・良心の自由とは/ 国際自由権委員会勧告/ 人権NGOの課題
- 第9章 学問の自由を台無しにしたのは誰か 岡野八代
フェミ科研費裁判/ 審・京都地裁判決/ 控訴審・大阪高裁判決
- 第10章 被疑者の未決拘禁における人権侵害 豊崎七絵
日本型冤罪/ 大川原化工機事件に見る刑事司法/ 日本型冤罪の原因と改善勧告/ 留置施設収容中に死亡した事案
- 第11章 刑事施設被収容者の人権を考える 金澤真理
名古屋刑務所事件/ 刑事収容施設の基本問題/ 刑事施設における人権
第4部 未来のための立憲主義
- 第12章 改憲論の動向と立憲主義 大江京子
安保文書改定問題/ 軍事優先国家の現状/ リアリズムを忘れた軍国主義
- 第13章 日本国憲法の光と影 前田 朗
奇妙な日本国憲法/ 平和憲法の実像/ 立憲主義の罠/ 問われる未来への構想力
<執筆者プロフィル>
飯島滋明:いいじま しげあき
名古屋学院大学教授。専攻は憲法学・平和学。戦争をさせない1000人委員会事務局次長。安保法制違憲訴訟常任幹事。著書に『国会審議から防衛論を読み解く』(前田哲男氏と共著)、『9条で政治を変える 平和基本法』(共著)、『日本軍事入門Q&A』、『自衛隊の変貌と平和憲法』等。
内山新吾:うちやま しんご
弁護士(山口第一法律事務所)。一九五九年下関市生まれ。中央大学法学部卒。二〇〇八年度山口県弁護士会会長。二〇一五年度日本弁護士連合会副会長。安保法制違憲訴訟全国ネットワーク前代表。著書に『市民と野党の共闘――未完の課題と希望』(共著、あけび書房)等。
大江京子:おおえ きょうこ
弁護士。日弁連憲法対策本部委員、改憲問題対策法律家六団体連絡会事務局長。中国人戦争被害賠償請求事件弁護団副幹事長、日本中国友好協会墨田支部長、日本民主法律家協会常任理事・憲法対策本部事務局長。共著に『緊急事態と憲法』(学習の友社)、『平頂山事件とは何だったのか』『JUSTICE――中国人戦後補償裁判の記録』(高文研)等。
岡野八代:おかの やよ
同志社大学教授。専攻は政治思想、フェミニズム思想。著書に『法の政治学』(青土社)、『シティズンシップの政治学・増補版』(白澤社)、『フェミニズムの政治学』(みすず書房)、『戦争に抗する――ケアの倫理と平和の構想』、『ケアの倫理』(以上岩波書店)、『憲法のポリティカ』(高橋哲哉と共著、白澤社)等。訳書にジョアン・トロント『ケアするのは誰か?』(白澤社)、ケア・コレクティヴ『ケア宣言――相互依存の政治へ』(大月書店)等。
金澤真理:かなざわ まり
大阪公立大学教授。刑事法学専攻。著書に『中止未遂の本質』(成文堂)、『再犯防止から社会参加へ――ヴァルネラビリティから捉える高齢者犯罪』(編著、日本評論社)、『︿市民﹀と刑事法』(共著、日本評論社)、『新コンメンタール刑法第2版』(共著、日本評論社)等。
清末愛砂:きよすえ あいさ
室蘭工業大学大学院教授。憲法学・ジェンダー法学専攻。RAWA(アフガニスタン女性革命協会)と連帯する会共同代表。著書に『《世界》がここを忘れても――アフガン女性・ファルザーナの物語』『ペンとミシンとヴァイオリン』(寿郎社)、『平和に生きる権利は国境を超える――パレスチナとアフガニスタンにかかわって』(あけび書房)、『右派はなぜ家族に介入したがるのか』(大月書店)、『平和とジェンダー正義を求めて』(耕文社)等。
上瀧浩子:こうたき ひろこ
弁護士。京都朝鮮学校襲撃事件をはじめヘイト・スピーチ事件を多数担当してきた。著書に『#黙らない女たち』(共著、かもがわ出版)、『日本女性差別事件資料集成17』(共編、すいれん舎)、『テクノロジーと差別――ネットヘイトから「AIによる差別」まで』(共著、解放出版社)等。
清水雅彦:しみず まさひこ
日本体育大学教授(専攻・憲法学)。戦争をさせない1000人委員会事務局長代行、9条の会世話人。著書に『治安政策としての「安全・安心まちづくり」』(社会評論社)、『憲法を変えて「戦争のボタン」を押しますか?』、『憲法改正と戦争 52の論点』(以上高文研)、『憲法入門』(大月書店)、共著に『秘密保護法から「戦争する国」へ』(旬報社)、『マイナンバー制度』(自治体研究社)、『令和から共和へ――天皇制不要論』(同時代社)等。
髙良沙哉:たから さちか
沖縄大学教授。専攻は憲法学。著書に『「慰安婦」問題と戦時性暴力――軍隊による性暴力の責任を問う』(法律文化社)、『ピンポイントでわかる自衛隊明文改憲の論点』(共著、現代人文社)、『ヘイト・クライムと植民地主義』(共著、三一書房)、『琉球の自己決定権の行使を――再び沖縄を戦場にしないために』(共著、琉球館)等。
寺中 誠:てらなか まこと
東京経済大学教員。専攻は国際人権法、刑事法。著書に『裁判員と死刑制度』(共著、新泉社)、『死刑の論点』(日本評論社)、『Q&Aヘイトスピーチ解消法』(共著、現代人文社)、『国際人権から考える「日の丸・君が代」の強制』(共著、同時代社)、監訳書に『ヘイトクライムと修復的司法』(明石書店)等。
豊崎七絵:とよさき ななえ
九州大学教授。専攻は刑事訴訟法学。著書に『刑事訴訟における事実観』(日本評論社)、共編著に『刑事司法と社会的援助の交錯』(現代人文社)、『裁判員時代の刑事証拠法』(日本評論社)、『接見交通権の理論と実務』(現代人文社)、『社会変革と社会科学――時代と対峙する思想と実践』(昭和堂)、『民主主義の深化と真価』(文理閣)等。
前田 朗:まえだ あきら
朝鮮大学校法律学科非常勤講師、東京造形大学名誉教授。日本民主法律家協会理事、RAWA(アフガニスタン女性革命協会)と連帯する会共同代表。著書に『平和のための裁判』(水曜社)、『戦争犯罪論』『9条を生きる』(青木書店)、『非国民がやってきた!』『パロディのパロディ――井上ひさし再入門』(耕文社)、『旅する平和学』(彩流社)、『憲法9条再入門』『ヘイト・スピーチ法研究序説』『ヘイト・スピーチ法研究要綱』『希望と絶望の世界史』(三一書房)等。
最近のコメント