時務の研究者 姜徳相
『時務の研究者 姜徳相 – 在日として日本の植民地史を考える』
姜徳相聞き書き刊行委員会編
四六判 ソフトカバー 270頁 (2021年4月刊/2022年9月第2刷)
ISBN978-4-380-21000-6 C0036
定価:本体2,200円+税
「日本の曲がり角には必ず朝鮮がある」 日本の植民地支配、解放後の南北分断、戦後日本の差別排外主義のなかを生きてきた在日朝鮮人にしか培えない 批判精神と歴史意識がここにある。 関東大震災時の朝鮮人虐殺をはじめとする「在日史学」 のパイオニア、姜徳相氏初のライフヒストリーだ。 愼蒼宇(法政大学教授)
在日の歴史研究者としての「時の務め」とは何か。 強制連行研究の第一人者、朴慶植は姜徳相に語った。 「朝鮮人が日本に住んでいるのは自分で好きで来たわけじゃない。それを明らかにするということだ。日本の政策によって来た人間だ。これは日本の国家責任だ。それを問うのが時務の歴史だ。それを訴えることが歴史家のやることだ」 植民地時代には皇国少年であり、のちに関東大震災時朝鮮人虐殺を世に問うた姜徳相が歩んだ半生。 歴史研究者として自立していく過程で出会った恩師や友人たちを回想するとともに、当事者である日本人が手付かずにしてきた植民地時代の研究を丹念に掘り起こし問題を提起し続けた、在日の歴史研究者たちを語る。
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<書評・紹介記事>
- 「週刊 読書人」2021年8月13日<在日の朝鮮韓国近現代史の秦斗の歩み- 日韓のおける市民連帯の可能性を窺わせる聞き取り>(鈴木裕子さん評)
- 「週刊 金曜日」2021年7月23日号 <残された者の「時務」をも問う>
- 「救援」(救援連絡センター機関紙)2021年6月10日号<生きる、学ぶ、闘う―不屈の歴史学>(前田朗さん評)
- 「自主」(韓統連 大阪本部)2021年6月1日号<民族を取り戻すということ>(黄英治さん評)
- 「聯合ニュース」(韓国語版)2021年5月20日<関東大震災の朝鮮人虐殺を暴いた在日1世の歴史学者・姜徳相の評伝>
- 「レイバーネット 週刊本の発見」2021年5月27日<今、やらなければならない仕事>(佐々木有美さん評)
- 「民団新聞」2021年5月12日<日本の植民地支配、在日の立場で告発…姜徳相氏の半生記刊行>
◉もくじ◉
- 第1 部 少年期(植民地時代の皇国少年)
- 第2 部 青年期(民族を失った在日の苦悩)
- 第3 部 大学時代(中国史から朝鮮史へ)
- コラム 国籍条項と差別
- 第4 部 研究者として歩みだす
- 第5 部 文化センター・アリラン創設(歴史や文化を学ぶ殿堂を)
- 第6 部 いま思うこと
- 在日史学について
- あとがき
- 年譜
<関連書>
『震災・戒厳令・虐殺 − 事件の真相糾明と被害者の名誉回復を求めて』
関東大震災85周年シンポジウム実行委員会編
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