新にっぽん診断
『新にっぽん診断 – 腐敗する表層、壊死する深層』
斎藤貴男 前田朗 共著
四六判 ソフトカバー 224頁
ISBN978-4-380-20008-3 C0036
定価:本体1800円+税
2018年・明治150年、19年・天皇代替り、20年・TOKYO2020(延期)、25年・大阪万博、27年・リニア新幹線、30年・札幌オリンピック……
極限的な政治腐敗、長期化する経済停滞、深刻化する人間蔑視。コロナ禍でさえ利権利用する「脱出口の見えない日本政治」を浮き彫りにする。
この矛盾を乗り切るために政治権力が設定した「新しい帝国主義」と「新しい生活様式」という名の棄民国家への邁進宣言。
果てしなき監視社会化の帰結であると同時に、この国が自国民に対して棄民政策を押し付け、周辺諸国民にふたたび悪夢の日々をよみがえらせる危惧が迫る。
現代日本は表層が腐敗しているばかりか、深層においても静かな壊死が進行し、構造的に自壊する危険があることに警鐘を鳴らす。
◉もくじ ◉
- 第1章 菅政権をどう見るか―アベコベ政権からアベスガ政権へ
- 第2章 新型コロナの時代―さらに加速する監視社会化
- 第3章 東京電力に見る日本的システム―嘘と隠蔽と排除の構造
- 第4章 戦争経済大国の実像―朝鮮戦争、ベトナム戦争、高度経済成長
- 第5章 消費税増税から改憲へ―棄民国家の行く末
<書評・紹介記事>
1964年、東京オリンピックを迎えようとする時期に出版された『にっぽん診断―オリンピックの後どうなる』(三一新書)は、日高六郎、佐藤毅らが、60年安保から64年のオリンピックと新幹線開業、68年の明治100年、70年の大阪万博へと沸き立つ日本の実相を批判的に解析した書であった。
●序章〝理念〟の裏の国家意志 終わったあとはどうなるか
●1章:オリンピックをつらぬく国際政治の論理 オリンピック〝神話〟の崩壊
●2章:現代日本の縮図 オリンピック汚職の実相
●3章:日本独占の国際的PR 税金は増え物価は値上がりする
●4章:東京の〝都市問題〟 どうなる瀕死のマンモス
●5章:治安・弾圧体制の強化 安保再改定への準備
●6章:第二のミッチーブームづくり マスコミは五輪に投資する
●7章:〝人づくり〟への布石 青少年体育のすすめ
●終章:東京オリンピックの時間と空間 日本の現実とのかかわり
繰り返される政治状況を前に、斉藤貴男と前田朗による対談で、本書ではその「2020年版」を展開する。
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