朝鮮戦争に「参戦」した日本

『朝鮮戦争に「参戦」した日本

西村秀樹

四六判 ソフトカバー
ISBN978-4-380-19004-9 C0036  320頁
定価:本体2500円+税


朝鮮戦争でアメリカの基地国家となった日本。その最中に、吹田枚方事件は起きた。
いま、新たな戦前の雰囲気が漂い始めた。
本書を支えているものは、著者の執念と情熱、そして対象への愛だと思う。  金石範(作家)


わたしはこの本で、朝鮮戦争に日本が実質的に「参戦」していた実態と、当時日本国内で起きた反戦運動、吹田枚方事件の実相を明らかにしたいと考えています。
シンガポールとハノイでの、アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談をきっかけに、朝鮮戦争への関心が改めて高まっています。
朝鮮戦争は第二次世界大戦後わずか5年後(1950年6月25日)に勃発、3年後に休戦協定が結ばれました。
米ソの冷戦を背景にした「国際内戦」(言語矛盾のような言葉)です。
南北朝鮮で膨大な死傷者が生み出され、その数、合わせて350万人とも500万人とも。離散家族は1,000万人に達します。
これをきっかけに、日本は再軍備し憲法9条が実質的に変容。朝鮮特需で日本経済は大いなる「恩恵」を受けました(ちなみに、「先の大戦」で日本人の犠牲者数310万人、アジア太平洋諸国は1,900万人と推測されています)。この戦争は今も継続状態のまま。「北朝鮮脅威論」(「中国脅威論」ともあいまって)は、日本国憲法の「改定」問題や沖縄の米軍基地や国連軍地位協定問題などと密接にむすびつき、現代日本に大きな影を落としている事実を明らかにします。「忘れられた戦争」とも言われますが、米朝首脳会談の大きなテーマは朝鮮戦争の終戦処理です。東アジアの安全保障を考える上で、朝鮮戦争と日本をきちんと見つめることは現代的な課題です。(著者まえがきより)

著者プロフィール:西村秀樹(にしむら・ひでき)1951年、名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、毎日放送入社。おもに報道局で放送記者を務める。JNN報道特集「妻たちの7年・第十八富士山丸事件」「北朝鮮の軍と豆満江」、映像90「範(くびき)の女・朝鮮人従軍慰安婦」などの番組を担当。北朝鮮には‘82年の金日成主席生誕70周年行事の取材以来6回、済州島から豆満江まで朝鮮半島をほぼ南北に縦断して取材を敢行した。2011年から近畿大学人権問題研究所客員教授。現在は同志社大学・立命館大学の非常勤講師、日本ペンクラブ平和委員会副委員長。

 

<書評・紹介記事>

 


◉カバー写真◉元山港を掃海作業中、触雷して爆発する韓国軍掃海艇。 (1950年10月18日) 同年11月15日、元山沖を航行中の大型曳船636号が機雷に触れ沈没。日本人乗組員27人中22人が死亡。


◉もくじ◉
第一部:三大騒乱事件の一つ、吹田事件

第一章 吹田事件研究会
一、吹田事件
二、十三
三、研究会

第二章 吹田事件
一 吹田操車場へのデモ行進
二 日本共産党・大阪大学細胞キャップ
三 太ももを銃撃された大阪大学生

第三章 枚方事件
一 枚方放火事件
二 枚方工廠への時限爆弾設置事件
三 事件の舞台裏

第四章 裁判闘争
一 吹田黙祷事件
二 騒擾罪

 

第二部:朝鮮戦争と日本

第五章 なぜ朝鮮は分断されたのか。なぜ日本は分断されなかったのか

第六章 日本が朝鮮戦争に「参戦」した日々〜八〇〇〇人の渡韓・五七人の死亡

第七章 玄界灘を渡って「参戦」した日本人
一 朝鮮戦争と再軍備
二 特別掃海隊
三 女性たちの動員
四 玄界灘を渡った日本人「兵士」
五 基地国家・日本

第八章 鴨緑江を渡って「参戦」した
一 満蒙開拓団
二 八路軍従軍看護婦
三 八路軍従軍兵士

 

第三部:吹田事件の解放

第九章 在日朝鮮人と吹田枚方事件
一 首魁の半生
二 吹田事件
三 民族組織
四 五五年体制
五 保釈
六 無罪判決
七 判決理由
八 枚方事件の裁判

第一〇章 至純な歳月
一 検察側の総括と大阪市の反論
二 共産党幹部の証言
三 在日朝鮮人のリーダー
四 茨木警察ウェポン車事件
五 日本人側首魁
六 裏切り者の息子
七 軍需列車の襲撃計画
八 本当は何を目ざしたのか

年表

参考文献

あとがき

* 本書は『大阪で闘った朝鮮戦争 ― 吹田枚方事件の青春群像』(第二版、二〇〇四年、岩波書店)をもとに大巾に加筆、改題したものです。

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