<近刊>韓国 古い町の路地を歩く

『韓国  古い町の路地を歩く』

ハン・ピルォン(韓弼元)著
萩原恵美 訳

A5変型判 ソフトカバー ブックデザイン:桂川潤
ISBN978-4-380-18001-9 C0026
予価:本体2800円+税(2018年春刊行)

 建築家である著者は、韓国の伝統家屋・集落に魅かれてやまない。
 著者の心をとらえて離さない韓国の古い9つの街並みをめぐる。

密陽(ミリャン)、統営(トンヨン)、安東(アンドン)、春川(チュンチョン)、安城(アンソン)、江景(カンギョン)、忠州(チュンジュ)、全州(チョンジュ)、羅州(ナジュ)の物語だ。
それぞれの町の歴史はもとより、都市空間の変化のプロセスと文化的背景や風土をひもといていく。 歴史ある町であること、中心部は歩いて一巡りできるくらいの小規模な町であること、そして現代都市としての魅力とポテンシャルを有する町であること、という著者の3つの基準にかなったこれらの町では、共同体の暮らしが途絶え、個人の利益ばかりが優先される現代の大都市ではお目にかかれないような、人間味あふれる豊かな空間に出会えるはずだ。

 

◎目次◎
著者のことば:僕をとりこにした古い町、そして路地

1. ゆるやかに流れる川、まっすぐに流れる時間 密陽
川向こうに成長した巨大な堤防の町/町と川とに出会うふたつの方法/町の時間軸、中央路/内一洞は復元中/町に浮かぶ島、三門洞)/三門洞の眠れぬ夜/□□□□/密陽の現代的イメージを担うべき駕谷洞/美しき密陽川、嶺南楼の他者化/人が屋根を見下ろせる町

2. 海とアーティストの紡ぎ出した町の知恵 統営
軍事の町からアートの町へ/統営のランドマーク、洗兵館/統営、もうひとつのテクスト/暮らしとアートの出会い/李仲燮はなぜ統営に行ったのか/流れる道と昇る道/都市空間の理性と感性、そして歩行本能/青馬通りの時間/町の中心部、艅艎山の南の裾野/町の周辺部、東ピランとと西ピラン/庭の高い家々/心とどまる五感の町

3. 袋小路に息づく両班の町の品格 安東
安らかなる東の町/よき町は学校である/市街地のほろ苦き宝探し/南楼門の梵鐘はなぜ五台山に行ったのか/袋小路の町/袋小路と空間利用のエコノミクス/西門外の宗教密集地帯/建築文化の原点、建築交流の中心地/通りから感じる地元らしさ/都市空間をつなぐ「時の回廊」

4. 歴史の重みを耐え抜いた都市空間の春 春川
秀麗な山河、悠久の歴史/水の町/人々をいざなうスペースと坂道/町の自然:望楼の下の「町里」/望楼の下の町に朴壽根と権鎮圭を探す/生きた町の通り:明洞通り、タッカルビ横丁、中央市場、ブラウン5番街/多様なるものの哀しみ/通りはいかに死にゆくのか/答えはいつもこの胸の中

5. 商いの町のヒューマニズム 安城
安らぎの里で栄えた商業/朴趾源、18世紀後半の安城市街地を歩く/あんた、トグモリから来たのかね/南北に走る東西路と左右に走る中央路/市場のみでよき町になりうるのか/1.1kmの通りを歩いてみると/安らぎの町で考える都市のヒューマニズム/あっぱれ、門間棟!/韓屋の進化と骨太の建築の力

6. 古き舟運の町の異国風景 江景
湖南と湖西の出会う近代舟運の商業都市/文学作品にみる20世紀初めの江景/川の風景/町なかに進出した中庭/都市型の住居の出現、長屋/江景で出会った見慣れぬ風景/欲望の拡大と風景の破壊/買い物客を観光客へ

7. 町を動かす文化の両輪 忠州
枠にとらわれない歴史都市/城壁の内と外/プンムルのリズムに乗って巡る都市空間/于勒と林慶業/自転車で歴史と自然の道をひ一巡り/歴史の道その1:于勒、芸の道を訪ねて/歴史の道その2:林慶業、武の道を訪ねて/自然の道その1:忠州川の源流を訪ねて/自然の道その2:校峴川の源流を訪ねて/高台に囲まれた町/文化の両輪で前進を

8. 韓屋が守ってきた町の伝統 全州
朝鮮王朝を生み育んだぬくもりの伝統都市/町の境界で出会った美、そして破壊/伝統都市のシンボル、城壁と市場/城壁の撤去とともに吹き寄せた近代の風/殉教の地チョロッパウィと客舎、そして味元タワー/韓屋と居住地、そして町の品格/生きている町・全州

9. 千年の古都の3本の線 羅州
水の取り持つ縁に育まれた町/2枚の地図をつなぐ3本の線/羅州・天使の詩/川沿いに立った工場、城壁跡に建った家々/通り1本隔てて共存する大通りと住宅地/恋愛の破壊/客舎と警察署/3つの時代の政治空間、3本の南北の軸/活気あふれる商業空間、東門通り/川があるから詩が生まれる町

韓国の歴史都市を語る
歴史都市とは何か/東アジア文明の中の韓国の歴史都市/韓国の歴史都市の歩んできた道/町の線と面、そしてヒューマニズム/新たな歴史都市を夢見て

キーワードで読み解く韓国の町歩きのノウハウ

日本語版読者へ


▽原著者:ハン・ピルォン(韓弼元)
1961年生まれ。大学院生だった1980年代半ばから一貫して伝統家屋や集落、歴史都市についての総合的な研究に取り組んでいる。建築士として1989年から1995年まで建築事務所で設計の実務に就く。1995年から1年間、中国・清華大学建築学院で研究生活を送り、2003年から1年間は米国・ニューヨーク州立大学で客員教授を務めた。1996年から漢南大学建築学部教授として教鞭を執り、同大学アジア建築研究室の代表を務める。

▽邦訳者:萩原恵美
韓国に語学留学後、韓国企業勤務を経て翻訳業に従事。1998年から現代語学塾講師(~現在)、2004年から東京外語専門学校通訳翻訳科日韓コース講師(~現在)。訳書に『殴り殺される覚悟で書いた親日宣言』(チョ・ヨンナム著、2005、ランダムハウス講談社)、『ボクの韓国現代史 1959-2014』(ユ・シミン著、2016、三一書房)がある。


原著:『古い町の路地を歩く 繰り返し訪れたい魅惑の地方都市巡り』
ハン・ピルォン著(ヒューマニスト出版グループ:2012)
●韓国文学翻訳院出版助成

 


 

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